西東京に位置する多摩とその近隣の風景は、これまでにもスタジオジブリの作品の中でいくつか取り上げられているが、「耳をすませば」ほど実在する街をリアルに描いているアニメ映画は他にないと思われる。とにかく映画を観れば、実際にある街の風景が登場し、聖蹟桜ヶ丘に住む人々を羨ましく思うほど、美しい景観の広がる魅力的な多摩の故郷として描かれているのだ。映画の中では、多摩ニュータウンを「コンクリートロード」と歌って皮肉っているが、桜ヶ丘公園のそばで野生のタヌキと出会った時には、確かに住宅街で生き延びる野生動物がいる土地であることを認識した。それでも、丘の街にはまだまだ沢山の緑があり、いくつもの川が流れ、のどかな風景が広がっている。
さて、聖蹟桜ヶ丘周辺で楽しむ今回のクウ・ネル・アソブ。クウ・スポットにおすすめなのは、東寺方にある喫茶店「邪宗門」。ここは、映画に出てくる地球屋のモデルであるといわれている店で、メルヘンを感じる外観と骨董品が並ぶ店内はまさに地球屋!コーヒーも美味しくて、居心地のいい店だ。またネル・スポットは、景色がよく行楽客も少ないゆうひの丘がベスト。桜ヶ丘公園内で休むなら、ひぐらし坂の丘の上が静かでいいだろう。そしてアソブ・スポットを探すなら、駅前のデパート群が便利。また川崎街道沿いや商店街を探検してみるのも面白いだろう。
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