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多摩武蔵野ウォーキング
 
昭島市  AKISHIMA
  拝島大師・五日市廃線跡・くじら運動公園

はいじまだいし いつかいちはいせんあと くじらうんどうこうえん 

古社寺を巡り、旧鉄道跡から太古の川辺を訪ねる、歴史冒険ウォーキング

市の中心をJR青梅線が東西に貫き、南部に多摩川が流れる昭島市。その青梅線と多摩川に挟まれた市南部エリアには、奥多摩街道に沿って拝島大師を始めとする多くの古社寺が点在する。また、街道の途中には旧五日市鉄道の廃線跡もあり、かつての鉄道路線跡の道を辿ることができる。一方、多摩川では、美しい水と自然の風景、そして太古の生き物が眠る地層にも出会える。今回は、古い街道筋に残る古社寺と旧鉄道跡、また化石発掘で有名な多摩川の岸辺を巡る歴史冒険ウォーキング。太古から、平安〜室町時代、大正〜昭和と、幅広い歴史を垣間見られる貴重な散策ルートだ。

 
 
全長
約9キロ
拝島大師
所要時間
約3.5時間
Access :電車
JR青梅線で昭島駅下車
Access : 車
国道16号から江戸街道に入り東へ約10分
おすすめ
シーズン
正月のだるま市、春の桜やフジの開花シーズンがおすすめ
 
 
 

→より詳細な地図を見る

1 昭島駅南口
 ↓
徒歩10分
2 龍田寺
 ↓
徒歩20分
3 拝島大師
 ↓
徒歩20分
4 旧五日市鉄道・大神駅跡
 ↓
徒歩10分
5 諏訪神社・阿弥陀寺
 ↓
徒歩8分
6 熊野神社
 ↓
徒歩15分
7 くじら運動公園・多摩川
 ↓
徒歩5分
8 築地の渡し跡
 ↓
徒歩20分
9 昭和公園
 ↓
徒歩7分
10 東中神駅
 
 

 龍田寺   お腹の病を治癒してくれる痢病神さま

昭島駅南口
昭島駅南口
本堂と鐘楼
本堂と鐘楼
拝島大師の最寄り駅は、JR青梅線の昭島駅。昭島駅の南口には江戸街道が東西に通っており、そこから大師通りを南下すれば徒歩30分ほどで拝島大師に着く。だがその手前に、ちょっと珍しい寺があるので、先に立ち寄ってみることにした。江戸街道を西へ向かい、最初の信号で左折してしばらく南下していくと、静かな住宅街の中に立派な山門の建つ龍田寺が現れる。ここは元和元年(1615)創建の曹洞宗の寺で、境内には本尊の釈迦如来を祀る本堂と鐘楼が建っているが、見どころは山門の左手に建つ赤い屋根の祠。とても小さな祠だが、ここには下痢や腹痛の悩みにご利益のある痢病尊が祀られている。
曹洞宗山王山龍田寺
曹洞宗山王山龍田寺
住所 昭島市上川原町2-25-1
電話 042-541-8243
 
痢病尊の祠 痢病尊は、下痢や腹痛などの病気の守護神で、古くから信仰を集めている神。ここに伝わる話では、天正年間(1573〜92)に、相模国(現在の伊勢原市)で赤痢にかかった母親を看病していた男がおり、そこへ痢病尊が現れて治療の約束をしたという。その後母親の病気が治癒したので、感謝を込めて養国院という寺に痢病尊の像を祀ったが、文化年間(1804〜18)に慈海竜吟和尚がこの地に背負ってきて龍田寺に奉安した。中に鎮座する痢病尊は、30cmほどの木造彩色立像で、毎年8月1日の祭日にはお札が授与される。お腹のトラブルを抱えている人は、ぜひ痢病尊に参拝していこう。

 痢病尊の祠
 

 拝島大師   元三大師像を祀る古刹と、拝島の地名を生んだ歴史ある寺

大師通りを南下し、国道16号から奥多摩街道を右に曲がると、拝島大師の門が見えてくる。一風変わった脚の長い門は南大門。その門の奥に建つのが、比叡山延暦寺の山門を模したという文殊楼だ。コンクリート建ての立派な文殊楼をくぐれば、左手には八角円堂と大師の池、正面には元三大師堂があり、そしてその左奥には小高い崖上に建つ多宝塔が見える。朝の光を浴びて静かに佇む境内の建物は、長い歴史を感じさせる古刹らしい落ち着いた雰囲気だ。
拝島大師の南大門
拝島大師の南大門
山門の文殊楼
山門の文殊楼
拝島大師本覚院
拝島大師本覚院
住所 昭島市拝島町1-6-15
電話 042-541-1142
拝島大師本覚院は、大日八坊の一つとして天正年間(1573〜92)に創建されたという。本堂の元三大師堂は天台宗の寺院で、文政2年(1819)に再建、昭和26年(1951)に改修されたもの。本尊は、延暦寺の中興の祖と称えられる天台座主・慈恵大師の自作像である。
この自作像については、実は歴史的なドラマがあった。


元三大師堂→
元三大師堂
元三大師堂
もともとこの像は、長い間比叡山横川に置かれていたものだったが、元亀2年(1571)、比叡山が織田信長の焼き討ちにあった際、焼失する運命であったこの像を、敬ェ大僧都が救出した。その後、諸国を遍歴した後、ついに天正6年(1578)に拝島の本覚院に安置されたという。
八角円堂。弁財天、毘沙門天、聖徳太子像を祀る
大師の池
鐘楼
多宝塔
八角円堂。弁財天、毘沙門天、聖徳太子像を祀る
大師の池
鐘楼
多宝塔
 
慈恵大師は、永観3年(985年)1月3日に入寂したため元三大師とも呼ばれている。調布市の深大寺や埼玉県川越市の喜多院と同じく、拝島大師も元三大師を祀る関東の厄除大師として名高い寺院だ。毎年1月2・3日には有名なだるま市が開かれ、市内外から多くの人々が訪れる。新年は、初詣とあわせてだるま市に訪れてみるのもいいだろう。
元禄時代に始まっただるま市は、1月2・3日に開かれる 地元近郊の市で作られるだるまは、多摩だるまと呼ばれ人気がある
 
元禄時代に始まっただるま市は、
1月2・3日に開かれる
地元近郊の市で作られるだるまは、
多摩だるまと呼ばれ人気がある
■大日堂

拝島大師の西側には、大日堂が隣接している。背の高い木立に包まれ、湧水も流れる広い境内は、市民が憩う公園として整備されている。天暦6年(952)の創建と伝わる天台宗の寺院だが、こちらは拝島大師の一部ではなく独立した寺。本尊は大日如来坐像で、都指定有形文化財になっているが、伝説によると、この本尊像にもまたドラマティックな逸話があった。

大日堂境内の公園(左)→
湧水の池(右)→

大日堂境内の公園
湧水の池
大日堂
大日堂
住所 昭島市拝島町1-10-14
電話 042-541-1009 (普明寺)
天暦6年(952)、大洪水によって多摩川上流の日原村(現奥多摩町)にあった大日如来坐像が、大神の中洲(島)へと流れ着いた。坐像は夜ごとにピカピカと光明を放ち、これを村人が拝むようになったことから、この地に「拝島」という地名が起こったという。その後、田中町浄土の地にこの坐像を祀り、拝島山密厳浄土寺大日堂を建てたが、北条氏が八王子の滝山城を築城すると、滝山城の鬼門よけとして現在地に移された。


大日堂は間口14.7m、奥行き13.7m、市指定有形文化財。向拝はカラフルな色彩に彩られている 
大日堂は間口14.7m、奥行き13.7m、市指定有形文化財。向拝はカラフルな色彩に彩られている
 
それから天正元年(1573)に、滝山城主北条氏照の重臣石川土佐守が、この寺の境内の井戸水で娘おねいの眼病が治癒したことに感謝して大日堂の堂宇を再建。また同時に大日八坊といわれる普明寺、本覚院(拝島大師)、円福寺などの一山八ヶ寺を建立した。享保17年(1732)には、それまで石段下にあった大日堂を現在の位置に移転・再建し、現在は大日八坊の一寺であった普明寺が管理している。境内には伝説のおねいの井戸や、市指定有形文化財の仁王門、また樹齢800年ともいわれる都天然記念物の拝島のフジもあり、見どころが満載だ。  
おねいの井戸。
北条氏照の重臣、石川土佐守の娘おねいが眼病を患い、毎日この井戸の清水で眼を洗ったところ、平癒したと伝えられる
おねいの井戸。北条氏照の重臣、石川土佐守の娘おねいが眼病を患い、
毎日この井戸の清水で眼を洗ったところ、平癒したと伝えられる
天台宗拝嶋山普明寺。大日堂の西隣、拝島一小の西側に建つ寺で、大日堂の管理を務める
仁王門。江戸時代の再建といわれる大日堂の山門で、市指定有形文化財。間口9m、奥行き6.3mあり、門内には木造金剛力士立像が2体安置されている。また門の扁額「密厳浄土寺」は高貴な人の手によるものと伝わる
天台宗拝嶋山普明寺。
大日堂の西隣、拝島一小の西側に
建つ寺で、大日堂の管理を務める
仁王門。江戸時代の再建といわれる大日堂の山門で、市指定有形文化財。間口9m、奥行き6.3mあり、門内には木造金剛力士立像が2体安置されている。また門の扁額「密厳浄土寺」は高貴な人の手によるものと伝わる
   
拝島のフジ。推定樹齢800年の都天然記念物で、地元では「千歳のフジ」と呼ばれる。高さ2.4m、広さ約308uの藤棚に広がる都内有数の老樹。毎年5月頃に開花
拝島のフジ。推定樹齢800年の都天然記念物で、地元では「千歳のフジ」と呼ばれる。高さ2.4m、広さ約308uの藤棚に広がる都内有数の老樹。毎年5月頃に開花
   
仁王門の木造金剛力士像。像高3.35m、鎌倉時代作、都指定有形文化財
仁王門の木造金剛力士像。
像高3.35m、鎌倉時代作、
都指定有形文化財
 
← 拝島のフジ。推定樹齢800年の都天然記念物で、地元では「千歳のフジ」と呼ばれる。高さ2.4m、広さ約308uの藤棚に広がる都内有数の老樹。毎年5月頃に開花

日吉神社
日吉神社
住所 昭島市拝島町1-10-19
電話 042-544-0636
備考 ※平成18年〜平成20年12月まで改修工事中
大日堂の西隣には、日吉神社が建っている。日吉神社は農業振興・除災招福の神、大山咋命・香山戸命・羽山戸命の三神を祀る神社。創建は不明だが、大日堂の守護社として天正年間に建立されたといわれ、寛保元年(1741)に山王大権現の称号を得た。現在の社殿は嘉永5年(1852年)に再建されたもので、本殿彫刻や拝殿の格天井画は傑作として著名だが、現在は建物全体を修築中。神社に伝わる祭礼囃子は市指定無形民俗文化財となっている。
 

 旧五日市鉄道・大神駅跡  かつて存在した鉄道へのロマンに浸る廃線跡の道

拝島大師から奥多摩街道を東に向かい、国道16号から250mほどで田中町団地の交差点に差し掛かる。この奥多摩街道を横切る細道は、なんとなく中途半端な道幅に感じるが、実はこの道、旧五日市鉄道の武蔵田中駅から拝島多摩川へと延びていた砂利輸送用支線の跡。つまり、この道は鉄道の廃線跡というわけだ。ここからは道を左へと入り、しばらく旧五日市鉄道の廃線跡を辿っていこう。
旧五日市鉄道の多摩川支線跡
反対側の多摩川方面を望む
 
旧五日市鉄道の多摩川支線跡
反対側の多摩川方面を望む
     
多摩川支線跡(左)と本線が通っていた新奥多摩街道(右)との合流地点
 
多摩川支線跡の緩やかな坂を上っていくと、新奥多摩街道に合流する。この合流地点辺りに旧武蔵田中駅があったらしいが、今では駅の面影は全くない。だが、新奥多摩街道を渡った左手に、まるで目印のように鉄道のオブジェが飾られていた。過去の遺物を目にした途端に、不思議と気分も高揚してくる。そこから新奥多摩街道をそれて、左へと真っすぐに続く道が旧五日市鉄道の本線跡。現在では「五鉄通り」という名が付き、人々の生活道路となっている。


 多摩川支線跡(左)と本線が通っていた新奥多摩街道(右)との合流地点
新奥多摩街道。旧武蔵田中駅があった辺り
鉄道のオブジェ
旧五日市鉄道本線跡の五鉄通りへ
新奥多摩街道。旧武蔵田中駅があった辺り
鉄道のオブジェ
旧五日市鉄道本線跡の五鉄通りへ
五鉄通り
五鉄通り
五鉄通りは、今では静かな住宅街の道路となっているが、廃線跡だと思って歩くと、やはり畑の風景などは車窓から覗く独特の景色に見えてくる。鉄道跡らしい真っすぐな道をそのまま歩くと、今度は右手の歩道脇にぽつんと古い駅が現れた。ここは旧大神駅があった跡地で、鉄道跡と駅のホームが再現され、小さな広場として整備されている。
五鉄通りは単線の廃線跡らしく道幅が狭い
旧大神駅跡。昭和5〜19年(1930〜44)に使用された無人の停留所
旧大神駅跡にも鉄道オブジェが飾られている
五鉄通りは単線の廃線跡らしく
道幅が狭い
旧大神駅跡。昭和5〜19年(1930〜44)に
使用された無人の停留所
旧大神駅跡にも鉄道オブジェが飾られている
旧大神駅跡と五鉄通り
五日市鉄道は、現JR五日市線の前身で、大正14年(1925)に開通し、拝島・武蔵五日市間を蒸気機関車が走った。その後、昭和5年(1930)には拝島・立川間が開通し、8.1kmの区間に8駅の駅が設けられた。ここでは旅客用にガソリンカーが1時間に1〜2本程度運転されていたが、昭和15年(1940)に南部鉄道と合併、そして昭和19年(1944)には太平洋戦争の影響で国に買収されてしまう。その後、拝島・立川間は近くを青梅線が走っているという理由から、この区間の五日市鉄道はそのまま休止、廃線となってしまった。

 旧大神駅跡と五鉄通り
旧大神駅跡を過ぎると、五鉄通りは八高線と交差する。新しく造られた立体交差のトンネルをくぐり、廃線跡の道を真っすぐに進めば、そのうち諏訪松中通りにつながる。この辺りは旧宮澤駅があったところで、交差点の向こうには、さらに五鉄通りが真っすぐに延びている。
八高線との立体交差トンネル
トンネルの上を八高線が通る
いざ、トンネルの中へ
五鉄通りは住宅街の中を真っすぐに延びていく
八高線との立体交差トンネル
トンネルの上を八高線が通る
いざ、トンネルの中へ
五鉄通りは住宅街の中を
真っすぐに延びていく
 

 諏訪神社・阿弥陀寺   古社から湧き出す名清水が地名の起こり

諏訪松中通りを右に曲がり、南下していけば、奥多摩街道との交差点に諏訪神社と阿弥陀寺が左右に建っているのが見える。ここはどちらも湧水で有名なところ。まずは道の左手に建つ諏訪神社から訪ねてみた。

諏訪神社は、平安時代の創建と伝わる古社で、祭神は建御名方命。旧宮沢村の鎮守であり、古くは刀工小町氏の氏神であった。境内を入るとケヤキの大木がそそり立ち、厳島神社と池、そしてその奥の断崖の上に社殿が建っている。崖下左脇から湧き出す清水は「お宮の沢」と呼ばれ、ここ宮沢の地名の由来にもなった。「東京の名湧水57選」に選ばれているこの湧水池が神社の手水場となっており、昔ながらの境内の風景に郷愁を感じる。
諏訪神社
諏訪神社
住所 昭島市宮沢町2-35-23
境内の厳島神社
手水場となっている湧水「お宮の沢」
湧水口
境内の厳島神社
手水場となっている湧水「お宮の沢」
湧水口
諏訪神社の反対側に建つ阿弥陀寺は、鎌倉時代の創建で、本尊は阿弥陀如来像。またここは、弘法大師、関東八十八ヶ所霊場第七十一番札所、多摩八十八ヶ所霊場第八十番札所でもある。阿弥陀寺の本堂裏では清水が湧き出しており、その水でワサビを栽培していることでも知られている。
宮澤山阿弥陀寺
宮澤山阿弥陀寺
住所 昭島市宮沢町2-36-6
山門は享保10年(1725)の造立、本堂は元禄14年(1701)の建立
山門は享保10年(1725)の造立、本堂は元禄14年(1701)の建立

 

 熊野神社   古くからのご神木、大イチョウの木がそびえる境内

諏訪神社から奥多摩街道を東に向かって歩いていく。街道の一本裏道へ入ると、湧水の小川の流れに沿って、蔵のある古い民家が建ち並んでいた。この辺りにはこうした旧家をよく見かける。街道を中神バス停のところでまで歩いたら道を左へ。静かな住宅街の細道を進んでいくと、突き当たりにこれまた古めかしい神社が現れた。

ここは、延文5年(1360)の創建と伝わる熊野神社。旧中神村の鎮守社で、素朴な境内と高い石段の上に建つ社殿の風景が、村の神社の雰囲気をそのままに残している。だが、最もその歴史の古さを感じさせるのが、石段前にそびえる大イチョウの木。創建当時からご神木であったと伝わるこのイチョウは、樹齢約400年といわれ、市指定天然記念物となっている。葉の落ちた冬場でさえ、圧倒的な高さと幹周りがあり、多摩地方でも珍しい巨樹である。
奥多摩街道の裏道には湧水が流れ、旧家が並ぶ
奥多摩街道の裏道には湧水が
流れ、旧家が並ぶ
熊野神社
熊野神社
住所 昭島市中神町1-12-7

大イチョウの木。幹周り約6.5m、高さ30m以上。秋には多い年で500リットルの銀杏が採れる
← 大イチョウの木。幹周り約6.5m、高さ30m以上。秋には多い年で500リットルの銀杏が採れる
高台に建つ社殿から見下ろすと、
イチョウの巨大さがよく分かる 
熊野神社社殿。覆屋には嘉永5年(1852)再建の本殿がある ↓
熊野神社社殿。覆屋には嘉永5年(1852)再建の本殿がある
高台に建つ社殿から見下ろすと、イチョウの巨大さがよく分かる
 

 くじら運動公園   太古の化石が眠る多摩川と、スポーツや散策が楽しめる公園

奥多摩街道を西に戻り、八高線の手前で左に折れたら、そのまま南へ歩いて多摩川へ。広く開けた多摩川河川敷はくじら運動公園となっており、野球場やサッカー場、テニスコートなど屋外スポーツ施設が設けられている。ここが「くじら」と名のつく理由は、昭和36年(1961)に、八高線鉄橋下の多摩川で太古のくじらの化石が発見されたため。そこには100万年以上も前の地層が露呈されているというので、早速見に行ってみることにした。
くじら運動公園
くじら運動公園
八高線鉄橋下の多摩川
くじら運動公園
住所 昭島市宮沢町3-17
電話 042-544-4151(総合スポーツセンター内)
八高線鉄橋下の多摩川
これまで多摩武蔵野ウォーキングのコーナーでは、福生市、日野市、立川市の多摩川を紹介してきたが、ここ昭島市の多摩川はかなり独特な風景が広がっていた。川の岸辺には砂と粘土を固めたような柔らかい地層が広がり、川の中にもその地層の土が小さな島のような細長い塊であちこちに残っている。よく見ると、その地層の上に川の砂利が堆積しているので、土は川がここを流れる以前の古い地層であることが分かる。
多摩川の岸辺-
これは牛群地形と呼ばれる地形で、第3紀層露岩の地層の一部。第3紀とは7000万年前まで時代を遡る地層だという
砂の地層の上に川砂利が堆積している
多摩川の岸辺--これは牛群地形と呼ばれる地形で、第3紀層露岩の地層の一部。
第3紀とは7000万年前まで時代を遡る地層だという
砂の地層の上に川砂利が堆積している
 
くじら発掘現場は新生代第4紀更新世前期の上総層群といわれる地層で、約1万年〜170万年前の土。当時はこの辺りも海に覆われていたので、この柔らかい土は海の砂ということになる。ここで発見されたくじらは全長16m、約160万年前のもの。ヒゲクジラの仲間でほぼ完全な姿で発掘されたが、現在のくじらと異なるので「アキシマクジラ」と名づけられた。


とても珍しくて面白い地形だが、川岸を散策中に偶然、化石を掘っている親子にも出会った。小学生の男の子が
「お父さんが今、すごい化石を見つけた!」
と言うので、川岸の砂を掘るお父さんのそばへと行ってみると、なんと細長い骨のような物体を発掘しているところだった。手に取ると、折れた断面に細かい穴が開いており、やはり動物の骨のように見える。親子は、ここで貝の化石を何度か見つけたことがあるそうだが、骨は初めてだと言った。この静かな多摩川の岸辺は、風が止むとほのかに潮の香りが漂ってくるから不思議。発掘しなくても、100万年以上も前の海の香りが地上に現れるという、古代ロマンに満ちた川である。

太古の化石が眠る地層
アキシマクジラの化石は国立科学博物館新宿分館に保管され、その一部(胸椎と上腕骨)は昭島市役所1階ロビーに展示されている

 アキシマクジラの化石は国立科学博物館新宿分館に保管され、その一部(胸椎と上腕骨)は昭島市役所1階ロビーに展示されている

 太古の化石が眠る地層

   
親子が発掘した骨のような化石
川岸では貝の跡の化石(印象化石)もよく見られる
親子が発掘した骨のような化石
川岸では貝の跡の化石
(印象化石)もよく見られる
この多摩川では、昭和20年に起きた八高線列車衝突事故や、さらに歴史の古い築地の渡しがあったところでもあり、それぞれの歴史を語る碑などが土手の散策路に設置されている。
くじら運動公園の散策道には桜並木が続き、春は桜の名所
築地の渡し跡。江戸時代から利用された埼玉県所沢から神奈川県大山に至る大山街道の渡しで、昭和16年まで存続した。多摩大橋の東側、第五児童遊園の中にある
八高線列車衝突事故の碑。昭和20年に起きた日本鉄道史上有数の重大事故で、鉄橋下から発見された事故車両の車輪を展示。設置場からは八高線鉄橋が見える
くじら運動公園の散策道には桜並木が続き、春は桜の名所
築地の渡し跡。江戸時代から利用された埼玉県所沢から神奈川県大山に至る大山街道の渡しで、昭和16年まで存続した。多摩大橋の東側、第五児童遊園の中にある
八高線列車衝突事故の碑。昭和20年に起きた日本鉄道史上有数の重大事故で、鉄橋下から発見された事故車両の車輪を展示。設置場からは八高線鉄橋が見える
 

 昭和公園   屋内外スポーツ施設と小動物園のある憩いの広場

第五児童遊園から福島通りを入り、多摩川を離れて一路北へ。20分ほど歩くと、右手に昭和公園が出てくる。ここは、屋内の総合スポーツセンターを始め、テニスコート、野球場、陸上競技場などの屋外スポーツ施設と自由広場がある。自由広場には、D51型蒸気機関車が展示されているほか、クジャクやサル、モルモット、ヤクシカなどの小さな動物園もあり、親子で遊べる公園となっている。

昭和公園から福島通りをさらに北へ向かって歩けば、7分ほどで東中神駅に到着。今回のウォーキングはここで終了となる。帰りは青梅線で立川方面か、または昭島・拝島方面へ。昭島駅で下車すれば、大きなショッピングモールや、近隣には健康ランド「スパ昭島」もあり、帰り道に立ち寄ることもできる。
昭和公園
蒸気機関車D51-451。昭和15〜45年の30年間に、関東・東北を約176万km走行した機関車
東中神駅
昭和公園
住所 昭島市東町5-13-1
蒸気機関車D51-451。昭和15〜45年の30年間に、関東・東北を約176万km走行した機関車
東中神駅
 
 

【取材後記】   拝島大師・五日市廃線跡・くじら運動公園近隣の〜クウ・ネル・アソブ〜

拝島大師の多宝塔

拝島大師の多宝塔

多摩川の川辺

多摩川の川辺
 昭和町と拝島村が合併し、2つの名前を取って付けられた昭島市は、実は昔から湧水と地下水に恵まれた土地。なんと、市内の水道水は全て150〜250mの深井戸から汲み上げられた100%地下水で、地下水だけを水道事業に利用している市は、現在東京では昭島市だけだという。また北部や南部では清らかな小川が流れ、その流域はホタルの生息地となっており、夏は市内各地でホタル観賞が楽しめる。それほど水がきれいな昭島市に来たなら、ぜひ美味しいと噂の水道水を飲んでみては?気温が高く湿度が低い時は、より水が美味しく感じられるらしいので、自宅の水道水と飲み比べてみるのも面白い!

さて、ウォーキング途中で楽しむ昭島市内のクウ・ネル・アソブ。クウ・スポットを探すなら、ぜひ昭島駅北口に建つショッピングモールのモリタウンへ。ここには軽食からレストランまで様々な店が揃っているのでとても便利。またネル・スポットは、多摩川の川べりが静かで落ち着ける。ここで川の流れを眺めながらお弁当を食べても美味しい!そしてアソブ・スポットには、やはりモリタウンがおススメ。広い館内に並ぶ店舗でショッピングを楽しめるほか、北側には「MOVIX昭島」、吉本興業の「よしもとゲームアミュージアム」もあるので、映画やお笑いを堪能してから帰るのもいいかも!
取材担当:美月春菜
 
 
 
 
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