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わたしの川原     written by  Takumi Uesawa 

岸辺のゴロ石に腰をかけて、小石を気ままに放りながら、水面を眺めるのが好きだ。

あきる野市と福生市をわける平井川、多摩川。その合流地点で育った。写真は福生市側からあきる野市側を眺めたところ。今はマンションが建ってしまったり、開発をしたりして面影がないが、少し小高くなった場所に、川を見下ろすようにして暮らしていた。幼いときから、1年中、何かと川で過ごしていた。釣りに行く、泳ぎに行く、化石を取りに行く・・・そういう風に目的があるときもあったが、ないときもあった。

そんなときは、友人と岸辺のゴロ石に腰をかけて、小石を気ままに放りながら、水面を眺めておしゃべりをする。

今となっては、たわいもない話なんだけれど、新しい班のメンバーの話題や親、先生の悪口など、当時の私たちにとっては重大機密事項も含まれていて、そんな話は、川原でするのに限るのだ。

水面を見つめていると、ふと会話がとぎれ、いつしか、黙ったまま、えんえんと小石を投げ続け・・・そのうちどこまで水切りが届くか?あの五日市線の橋脚にぶつけられるかという競争になったりしていたように思う。

子供の頃の私たちは、そうして川に通っていると、風景というのは、一定ではなく、流れの向き、水量などにより、川原の形状そのものが生き物のように1年でだいぶん変化してしまうことに気が付いた。

「向こうの赤土が削れてきたから、いずれ崩れて、あそこは広くなるのだろう。水深が浅くなるから、こちら側が深くなるのだろう・・。」

大がかりに見えるようなことも自然はいともたやすく、粛々と行うものなのだということを知った。教科書で『浸食』と難しい言葉で教えられたことは、こういう事なのだ。


さて、時は流れて21世紀。相も変わらず私は、水が流れてればどこでもいいじゃないの・・・と思いつつ、平井川と多摩川の合流地点へ足が向く。帰巣本能・・・という周囲の言葉はさておいて。だいぶん流れが変わってしまった。時間がたっているのだ。当たり前だ。良くも悪くもない。

ただ川原に子供の姿が少ないのが気にかかる。子供だけで川原なんてとんでもない、というご時世なのかもしれないが、子供時代には「子供の瞳で世界を眺めておいて」と思う。子供の瞳だから見つけられるものは、たくさんあって、変な色の石、斑な小鳥の卵、魚が魚止めを泳ぎ上るところ、くっつく草の実、蛇やオニヤンマの抜け殻・・・。

川が形を変えること。空の色は季節で変わっていくこと。自然の風景は静かに、脈々と変化していくこと。そしてそれがすぐそばにあること。面白くない出来事があろうが、なかろうが、水面はいつも形を変え続け、春には一斉に芽が吹き、魚たちが恋をして、稚魚が群れ、夏には草のにおいが強くなり、秋は赤い実をついばむ鳥が、また生命をつなぎ、冬は生き物たちも静かに寄り添って暮らしていること。

本当の意味で「知る」ということ。「わかる」ということ。

そんな経験が、すぐ身近の川原で出来る。風光明媚でなくてもよい。川でなくてもよい。 多摩に住んでいる私たちだ。目を開いてよく見れば、思うより、すぐそばに、「あなたの川」もあるように思う。そして子供たちにも、そういう場所を「見つけてよいのだ」と言える、世の中にしていかなければ・・とも思う。

川原からの帰り。

マンションの1階で1枚100円のカードを沢山並べて盛り上がっている小学生の男の子たちが居た。


 
2006
・第16回  私の川原
・第15回  桜の住宅街
・第14回  多摩川サイクリングロードの思い出
2005年
・第13回  吉祥寺の魅力 〜私のお気に入り散歩道
2004年
・第12回  立川と共存共栄なるか。かつての映画の街よ、カムバック!
・第11回  晩冬の奥多摩ドライブであの時を思い出す今の僕(パイロット)
・第10回  南武線マナー改善委員長任命 (とことん)
・第09回  国立を代表する喫茶店(榎本雄二)
2003年
・第 8回  三多摩を代表するバンドRCサクセション(榎本雄二)
・第 7回  ダークなものが揃う街・立川(榎本雄二)
・第 6回  立川駅前の歩行者用デッキ(榎本雄二)
・第 5回  立川に集まる若者(榎本雄二)
・第 4回  横田基地はプチ観光地?(榎本雄二)
・第 3回  第一デパートの地下にあった「たこ焼き屋」(榎本雄二)
・第 2回  立川の駅前再開発(榎本雄二)
・第 1回  かつていた怪しげな人たち(榎本雄二)


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