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「立川駅前の歩行者用デッキ」 

 立川駅前に歩行者用デッキが出現してからしばらく経つ。それは確かに便利ではあるが、町田みたいな景観になっていくのがイヤだった。  しかし一カ所だけ、出来るのが待ち遠しいデッキがあった。それは伊勢丹脇で行き止まりになっていたデッキを高島屋まで延伸させた部分である。狭いピタゴラス通りを通って高島屋に至るところの「くねり」がなんとなく、かわいらしい。暴力的に真っ直ぐ進むのではなく、すでに建っている建物に配慮して「ちょっと通ります」という謙虚な感じ。また、狭い通りの上をくねっていくさまに、そこはかとなく香港的なテイストも感じる。

 香港の建築家、マイケル・チャンは香港の都市の面白さの本質を以下のように説く。
「この都市は、ヨーロッパの発展した国々やシンガポールのような計画的都市とは少し異なっています。ここには緩いコントロールしかありません。でも、緩いコントロールの下、香港の人々はうまくやっていく方法を探し、発展させていくのです。」(村松伸『香港─多層都市』東方書店、1997)

 つまり、まず計画ありきではなく、現状に即しながら臨機応変に、自然発生的に作り出されてきたからこそ、香港の街が魅力的になったのだ。あのデッキ部分に、それと似た魅力を感じるのは私の考えすぎだろうか。
(榎本雄二)

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