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〒190-0173
東京都あきる野市戸倉63
TEL:042-596-0123
FAX:042-596-5229
創業:明治17年
HP:http://www.kisho-sake.jp
Mail:info@kisho-sake.jp   
東京都あきる野市は五日市駅よりさらに奥。清流「秋川」をさかのぼると戸倉という集落にさしかかる。山がせまり、空気は清冽。この地は関東近郊から観光スポットとしても親しまれているが、冬の酒造りのこの時期は、静かな山里にすぎない。この地で早朝から「旨い酒」を求めて、ただただ静かに酒造りを行う蔵がある。秋川の地酒として地域の人々に愛され続けている「喜正」という蔵は、眼前の城山の豊かな清水を用いて、頑ななまでに昔ながらの手作りにこだわり、蔵人の手で誠実に真心のこもった酒を醸す。必然的に生産量は少ない。全国の地酒愛好家から「なかなか手に入りにくい本物の地酒」として知られる。また酒造りの要の蔵人は南部杜氏。岩手からの酒造りの職人達の技と長年の経験を生かし銘酒を醸す。繁忙な冬のこの季節、早朝の取材に訪れた私が見たのは南部杜氏に丁寧に意見をききながら、頬を上気させ、一心に仕込みタンクを攪拌する野崎社長の姿だった。
歴史を感じる蔵の中
 
酒槽(さかぶね)「佐瀬式」の文字が浮かぶ、この伝統的なスタイルのものは吟醸・大吟醸の搾りで今も現役。
 
酒槽内部。醪(もろみ)を酒袋(5〜9リットル入り)につめ、槽(ふね)の中に並べて積む。この間に、最初に出てくる白く濁った清酒を荒走り(あらばしり)という
 
酒槽からしたたる、しぼりたての酒は緑金がかったこんな色
 
城山の湧水がなみなみと。その豊かさに戸倉の人々をうらやましく思う。
 
蔵の中にある蔵人たちが休む部屋。どこか懐かしい。
 
蔵の中空に浮かぶ?部屋。とても気になってしまった。
 
入り口の様子。昔、国税庁の役人がここで寝泊りしたとのこと。なんとも味わい深い。
真っ青な空が広がった一段と寒さ厳しい厳冬の朝に訪れた「喜正」の蔵は、まさに酒造りの真骨頂「大吟醸」の仕込みを行っていた。しんと冷えた蔵の中に一歩はいると、どこまでも静か。その中で黙々と作業をすすめる蔵人たちが居た。ちょうど蒸し上げた米をひろげて冷ます作業から大吟醸の3段仕込みの2日目、仲仕込み風景まで取材することができた。喜正という蔵元は、昔ながらの酒造りにこだわった、あくまでも手造りで少量生産の蔵元だ。ここまでは地酒通の間では知られたこと。その現場ではどのような酒造りが行われているのか?

取材の日、まず驚いてしまったのが、作業着に身を包んだ野崎社長の姿。「酒造りを手伝っているんです。」とのこと。野崎社長は言う。「ここでは杜氏、蔵人が一番えらいんです。私は言われたとおりに手伝うだけなんです。」

喜正の蔵の敷地内に、野崎社長の住む家がある。喜正では南部杜氏が冬のこの時期、酒造りのために、この秋川の地に出稼ぎし、1つの季節をこの地で過ごす。野崎家ではではこの蔵人を「蔵の宝」とばかりに大事にしていた。1つのエピソードを紹介すると、例えば風呂。野崎社長が子供のころの話。野崎家の一番風呂は酒の仕込みを終えたく蔵人たちがつかう。その後、順番に野崎家の家人たちが入ったそうだ。蔵の中に家族同様に存在し続けている蔵人達の姿が浮かぶ。
野崎社長は少し遠い目をして、ぽつりぽつりと語ってくれた。
「子供のころは蔵人が酒仕込みの間に、遊んでくれたり頭をなでたりしてくたものです。蔵人という人たちが大切で尊いこと、我が家の宝であること、ともに冬の日々を過ごすのは、ごく当たり前のこととして、育ってきました。」
蔵の中にはダルマストーブにやかんんが印象的な蔵人達が休む部屋があった。この部屋で仕込みをおえた人間味あふれる南部の蔵人たちが、この平成の世も東京での酒造りの一日を語り合っているのだ。

先述のとおり、取材の日は大吟醸仕込みのまっただ中。仕込みタンクへ蒸し米を手作業で運ぶ蔵は少ない。その貴重な姿をこの目でじっくり見させていただいた。仕込みタンクの口は高さ2メートル以上はゆうにある梯子を上らなくてはいけない。この梯子、
なんと固定されておらず、記者もカメラを片手に、どうしてスニーカーで来なかったのか悔やまれた。また一切手すりがないので、撮影に夢中になって墜落しないように・・・と気がひきしまった。思わず野崎社長に「これだけの作業をすばやくしていて、なにか怪我などはないのですか?」と尋ねたら、微笑んで「もう慣れているので、そういうことはないんですよ。」とおっしゃられた。
大吟醸の蒸し米。米が磨かれて丸くなっているのがわかる。
 
米を蒸す湯をたてる釜
固まりを手で丁寧にほぐす
ほどよく冷めた蒸し米を運ぶ蔵人。寸分の無駄も感じられない。
 
蒸し米を手に2人同時に不安定な2本のはしごをリズムカルに上る。
あ・うんの呼吸で力強く米を渡す
 
大事な米をこぼすことなく仕込みタンクへ
静寂の中で黙々と作業はすすむ。響くは櫂棒(かいぼう)が酒を攪拌する音ばかり。
  
頻繁に温度の確認を行う。左の蔵人が温度計を持ち深いタンクに差し入れる。 今日はここまで。渾身の大吟醸へと変化していくのを細心の心配りで見守るのみ。
  
これは瓶詰めの機械 酒造りを見守る
 適度に冷ました蒸し米を、2人がかりで、この平行に設置された2本の梯子を、同じタイミングでのぼり、上の仕込みタンクの担当へ「えい」と渡す。しっかり受け取ったら、丁寧にタンクへ入れ、野崎社長自ら「櫂棒(かいぼう)」を手に、休むことなく真剣なまなざしでタンクを見つめながら攪拌する。ぴたりと手がとまったと思ったら、傍らに寄り添う蔵人が黙って温度を測定し、野崎社長と目をかわし、うなずきあったり、一言、二言言葉を交わす。あくまで蔵の中は静寂に包まれている。蒸し米を運ぶ蔵人もまるで、このタンクの上が下から見えているかのごとく、タイミングをみはからって、遅すぎることもなく、早すぎることもなく米を届ける。
まさに「あ・うんの呼吸」。
研ぎ澄まされた酒造りがここ秋川の地で、黙々と行われている。
【純米吟醸 山田錦】
じゅんまいぎんじょう やまだにしき 
【吟醸 湧水仕込 しろやま桜】
ゆうすいじこみ しろやまざくら ぎんじょう
【喜正 上撰 本醸造】
きしょう じょうせん ほんじょうぞう
酒づくりに適した米「山田錦」を半分の大きさになるまで磨き、米の芯をつかって醸された酒。穏やかな香りの中に、しっかりとした米のふくよかな旨みが凝縮。冷できりりと味わいたい。力強い酒。 喜正の仕込水が湧く城山に咲く「大桜」から名前をとった、爽やかな銘酒。フルーティな香りとともにすっきりとした清楚な味わい。旬の肴にふわりと寄り添う。軽く冷やし、ちょっときどったガラスのぐい飲みで味わいたい。 五日市〜あきる野流域では、誰もが思い描く喜正の代表銘柄。祭りや祝いの席に登場することも多い。のど越しがよく、主張しすぎることのない日々の定番の酒。冷で良し、燗もまた良し。気軽に楽しみたい酒。
★これらのお酒を飲んでみたい!という方は直接、野崎酒造までお問合せ下さい(日曜休)TEL:042-596-0123
酒造見学は受け付けておりません
秋川の山並みをのぞむ喜正の煙突
静かな山里の蔵「喜正」。四季折々の自然の変化の中にたたずむ。酒造りをただただ誠実に行うのみ・・・という蔵だけに、酒造見学などは行っていない。

流通量が圧倒的に少ない喜正。手に入れるためにはどうすれば良いか?秋川流域の酒取り扱い店か、全国のこだわりの地酒を販売する酒店・・などの方法があるが、一番確かなのは、この蔵の「直売店舗」に立ち寄ること。秋川渓谷をゆったりと観光した帰り、喜正のラインナップをこの目で見て、お土産にするのも一興。小旅行の思い出が秋川の地酒「喜正」とともに豊かなものになるだろう。

営業時間:10:00〜12:00、13:00〜17:00
定休日:日曜日(12月は無休)
喜正を買うのはこちらでどうぞ
 
 
 
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