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『独立行政法人国立国語研究所』〜〜図書館〜〜

 

  国立国語研究所は立川基地跡地の再開発地域にできた独立行政法人の研究機関で、平成17(2005)年2月に北区から移転してきた。北口と言っても最寄り駅は多摩モノレールの高松になるのでJR立川駅から歩くと20分程かかるが、初夏の晴天に誘われて都市軸をのんびりと歩いて縦断してみた。再開発地域には今までの立川のイメージとは全く違った近未来的な都市が広がっていた

 国立国語研究所の名前や存在を知っていても建物の中まで入ったことのある人は少ないだろう。実はこの建物は日本を代表する建築家の一人、槇文彦(槇総合計画事務所)による設計ということで、建築業界では有名な建築なのだ。槇文彦と聞いてなるほど〜と頷くのは建築クン(建築愛好家)くらいかもしれないが、代官山のヒルサイドテラスの設計で有名な建築家と言えば少しは身近に感じていただけるのではないだろうか。新しい立川に良質な建物ができるのは嬉しいことだ。


国立国語研究所外観

 

中庭沿いの廊下

 

図書館受付カウンター

 

 
図書館開架書架

大通りからの印象はガラスの箱。内部の透けた外観は実に軽やかで、地上から浮いているようにも見える。透明性の強いガラスの壁には白と赤のパネルがランダムにはめ込まれていて、無機質なガラスの箱に面白い表情を与えている。何故「赤」なのだろうか。。。そんな疑問がふと湧いてきた。「青」や「黄色」ではダメだったのかな??どうでもいい疑問はさておき、こういう所にビシッと原色系の色が使えるところが凄い。そして何よりもその色が効果的に使われていることに意味がある。デザインのアクセントとなっているこれらのパネルは単なる意匠上の都合だけでなく、換気という機能も担っているのだ。完成度の高いデザインだ。

この建物は研究機関だが、図書館は一般の人も利用することができる。内観は外部と同様、実にスッキリとしていて開放感がある。劇的な仕掛けや、新しい空間提案というような人を驚かせるような表現ではなく、細部を丁寧に仕上げた洗練された空間、そんな玄人好みの空間がここには広がっているのだ。こういう表現を建築クンは「美しい納まり」と呼んでいるが、なかなか真似できるモノではない。この手の空間は違和感がないので、何気なく室内にいると気がつかないかもしれないが、壁や天井、サッシ廻りなどを注意して見ると、余分な物が排除された上質な仕上がりを確認することができるので、来館された時はちょっとマニアックな視点で細部まで楽しんでもらいたい。

中庭に沿った廊下を進んで二階に上がったところに図書館がある。カウンター越しにはガラスに囲われた階段、どこまでも視線が抜ける空間は開放感があって気持ちいい。天井が高く吹抜けていて、ゆったりとした空間となっていた。一つ気になったのは、建物の四方がガラス張りなので、図書館にもまぶしいばかりの太陽光が降り注いでいたことだ。窓には遮光性のあるブラインドが装備されているが、隙間から室内に入り込んだ光がうるさい。やはり図書館には間接光が似合う。そういえば前回取材した花みどり文化センターも自然光が入りすぎていて職員が太陽と格闘をしていた。ガラス張りの建築には苦労がつきものということだろうか。。


せっかくなので国立国語研究所のことも少し紹介したい。国立国語研究所は昭和23年12月に設立された研究機関で、現代日本語及び日本語教育に関する様々な調査研究を行っている。日常生活の中で国立国語研究所との接点は少ないかもしれないが、身近な話題としては、公共の場面で使われる馴染みの薄い外来語を分かりやすく言い換える「外来語言い換え提案」を行っているところでもある。最近では3月14日の新聞に第四弾の言い換え提案の発表が載っていたので、記憶に残っている読者もいるのではないだろうか。

取材時に「日本言語地図」という本を見せてもらった。この本は一つの言葉、例えば「捨てる」ことを地域ごとにどのように言っているのかを日本地図上にプロットしたものだ。方言は距離が離れるほど差異が出ると単純に思っていたが、そういうものでもないようだ。距離があっても、都市間が海(海運などの交易)で繋がっていたりすると、人の交流が盛んになり、言葉も影響を受ける。逆に近くても山で遮られている場合は、ほとんど影響を受けないこともある。建築は気候風土の中で変遷していく要素が強いが、言葉は土地と人に強く影響を受けるようだ。今度じっくりページをめくってみたい本である。

図書館には日本語及び日本語教育に関する様々な雑誌・書籍等のほか、言語(学)一般、外国語に関する文献・辞書類も所蔵されている。調べものがある人はもちろんのこと、時間のあるときに寄ってみたい場所だ。


■ 参考
国立国語研究所
  図書館内部の球面写真が載っているので、
  内部空間が疑似体験できる!

ヒルサイドテラス
  建築家 槇文彦の代表作

・DETAIL JAPAN 2005年8月号
  「赤いパネル」の訳が載っている!
   建築クンは必読の一冊

 



 
 
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