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「都市軸」! 〜〜立川都市軸沿道地域まちづくりについて〜〜

 皆さんもご存知のとおり立川駅周辺はファーレをはじめとする駅前開発が盛んで、街並みが急激に変化してる。昨年は多摩都市モノレール下の「都市軸」も整備され新しい街の方向付けも着実に進んでいるようだが、ここは建築関係者としてはちょっと気になる場所なのだ。

 

 

新凱旋門から旧凱旋門方向を見る

「都市軸」と言えば世界的に有名な「軸」がパリにある。ルーブル美術館から旧凱旋門(ラ・エトワール)を通りパリの新都心「ラ・デファンス」を繋ぐ軸だ。あのシャンゼリゼ通りもこの軸上にある。これは単なる物理的な軸だけでなく、12世紀に建てられたルーブル宮から21世紀の新都心へと繋ぐ壮大な時間軸でもある。
 軸の終点に当たる新都心の中心には新凱旋門(グラン・アルシュ)があり、正に軸上に君臨する現代のモニュメント的なファサードを持った建物だ。上の左の写真が新凱旋門だが、どこか見覚えのある外観だ。そう、立川駅前の伊勢丹にイメージが似ているのだ。いやいや、誤解をまねくので伊勢丹が新凱旋門を彷彿させるとハッキリ言っておこう。そして、最近になって「都市軸」という言葉を立川でよく聞くようになり、さらに伊勢丹はこの「都市軸」の始点に位置すると来た。比較したくなくてもパリと対比したくなるのは僕だけではないだろう。

 逆にパリをお手本とした都市計画を立川市が行おうとしているのなら、それは素晴らしいことではないか。立川という場所性を加味した過去と未来を繋ぐ軸が造られる可能性があるからだ。しかしながら、どうもそうではないらしい。都心で行われている再開発と同様、新たな業務核都市としての整備が目下進行中なのである。興味のある方は是非「都市軸沿道まちづくり誘導指針」 (注:PDFファイル)に目を通していただきたい。

 再開発は大いに結構だが、都市はある日いきなり出来上がるものではないと僕は思う。先人の営みの上に、新たな要素が加わり街が形成されていく。平成になったからといって、昭和以前の街並みをリセットする必要もないだろう。100年もの歴史を持つ立川ならば、その時々の表情の延長線上に今の立川が出来上がっているはずだ。都市も人々の生活の場だとしたら、エイジングを重ねて魅力的になっていくのではないだろうか。

 パリの都市軸は軸としての直線上の繋がりだけでなく、軸の中間に位置する旧凱旋門(ラ・エトワール)から主要な通りが放射線状に伸びることで都市の他の地区(例えばエッフェル塔やモンマルトル)との有機的な広がりがある。立川の都市軸は軸の中心に「中央集客施設」を配置する計画となっているが、左右に位置する昭和記念公園とファーレ以外との既存の街との繋がりが見えてこない。誰の為の都市軸なのかと考えると、これも立川市民と言うよりかは再開発のための軸のような印象を受ける。

梅田邸で行われた講評会の様子

 以前紹介した高松町の洋館を覚えているだろうか。去る1月22日にこの洋館(梅田隆久さん所有)をモチーフにした文化女子大学住居学科の講義(講師、伊郷吉信氏)が梅田さんのお宅で開かれた。講義の内容は洋館と和館の再生を目指した設計課題の発表会兼講評会だったが、シネマ通り商店街の方等も講義に立ち会うなど、地域の関心が予想以上に高かった。地元商店街も巨大再開発と共存するための方法を模索しているのだ。

 洋館は所有者の梅田さんの同意を得て、去年の8月に国の登録文化財原簿への登録の申請中だ。早ければ年度末には、立川市における2番目の有形登録文化財になると思われる。洋館は「シネマ通り」のちょうど入口に位置するので、「シネマ通り」と都市軸を結びつけるシンボル的な役割をもたすこともできる。さらに、シネマ通りを延長して都市軸の「中央集客施設」まで物理的に繋げてしまうことも位置的に可能だ。

 シネマ通りだけではない、諏訪神社、五日市街道、玉川上水、競輪場・場外馬券売り場や旧飛行場跡地等々、立川には様々な街の表情がある。そして高松町の洋館のように立川の時間軸を繋ぎ留める既存の文化的ストックも、幸い市内にまだ点在しているので、これらを結んで都市軸と結びつけることができれば立川ならではの「軸」になっていくのではないだろうか。

 これらの拠点との結びつきは何も放射線状に道が繋がっている必要はなく、計画上のハードを少しかえれば十分に成り立つだろう。例えば「中央集客施設」にロータリーをつくって、電車やモノレールで来た人に市の内部まで足を運んでもらえるような市内を網羅するバスなどの公共交通網を整備するというのはどうだろうか。既に競輪場とJR立川駅を往復する送迎バスがあるので「中央集客施設」を経由させるのは簡単だ。せっかく「中央集客施設」に人を集めるのなら、この施設にもっとディープな立川を味わってもらう水先案内人の役割も担ってもらおうではないか。また、市内巡回バスを走らせることは、車を運転しない市民層を「中央集客施設」に招き入れることにもなり、さらには福祉網の整備にも繋がるのではないだろうか。

 

 立川の都市軸が再開発の「目抜き通り」に終わらないためにも、偶然にも似てしまったパリを参考にするのも面白いだろう。

 

参考文献
・「都市軸沿道まちづくり誘導指針(中間まとめ)」 立川市
・パリの奇跡 松葉一清 講談社現代新書

 

 
 
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