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〜〜高松町の洋館〜〜(立川市)

 ファーレのはずれに素敵な洋館がある。この建物と出会ったのは3年前の秋頃だったと思う。当時仕事先と予備校が立川にあったので、しょっちゅう街中をうろうろしていたが、もっぱらファーレ界隈をぶらぶらしていることが多かった。たまたま大通りから一本住宅街の中に入ったときに、木造の上げ下げ窓が目に入ったのだった。こんなところに洋館が……。

上げ下げ窓

 今まで洋館(診療所)の出入り口のすぐ隣に新館の診療所が建っていたので、建物の全景が今ひとつ掴めないでいたが、去年の暮れに持ち主から新館を解体したという連絡をもらい見に行ってみると、以前とは全く違った雰囲気になっていた。建物の正面が大通りから望見できるようになっていて、あらためてこの建物の素晴らしさを確認できた。
 本来個人の建物をWEB上で紹介するのはプライバシーの侵害にも繋がる話だが、今回は建物の持ち主である梅田さんの厚意で特別に内部まで見せて頂くことができた。

 洋館は内科診療所として昭和3年頃に建てられたものだそうだ。その後、歯科診療所となり、現在は梅田さんの息子さんの住まい兼事務所として使われている。木造平屋建てで、桟瓦の寄棟の屋根に切妻の出入り口が付けられている(上部写真参照)。特に様式建築の流れをくんでいるわけではないが、軒の出や高さ、上げ下げ窓の工夫ですっきりと洋風のデザインにまとめている。通りに面した棕櫚の庭木が、南国風のイメージとともに洋館をいっそう引き立てていた。

入口のコテ絵

 正面入り口の切妻面にはかわいい鏝絵が描かれている。天使が向かい合っている絵のようで、訪れる患者を今まで優しく見守って来たことであろう。宮崎駿の映画「天空の城ラピュタ」のエピローグにそっくりの絵があるという話もあるが定かではない。いずれにせよ築80年も経った今でも鏝絵の話題が出てくるということは、腕を振るった左官職人も満足してるのではないだろうか。

 

レリーフ 漆喰塗の床の間
  

 洋館が住まい兼事務所として使われるようになってからも、水廻り以外はほとんど手を入れておらず当時の診療所の雰囲気がそのまま伝わってくる。内部は漆喰仕上げで、天井と壁との境界や吊り照明の周りなどに鏝仕上のレリーフが施されている。建物の外観同様、シンプルながらも品のあるデザインだ。中でも診療所時代の応接間だった部屋には漆喰で形取られた床の間が造りつけてあり、和洋折衷デザインの極みとも言えるだろう。ここでも左官職人の腕の良さを確認することができる。
 
 梅田さんの診療所は建築的にも良質な職人芸を今に伝える貴重な建物だと思うが、飛行場閉鎖後に大規模な駅前開発を行った立川にとって、ファーレのそばに戦前の建物が現存していること自体が重要なことと言えるであろう。

注)ファーレ=JR立川駅北口の再開発地域。パレスホテル、高島屋、オフィス街が並ぶエリア

 

〜〜歯科医院の天井〜〜

  正月お餅を食べていたら、奥歯の銀歯(別に銀製ではないけど銀色の詰め物のこと。正式名称は何というのだろう?)が取れてしまった。年明け早々不吉な予感……。仙台での出来事だったのでどうすることもできずにそのまま放っておいたら、今頃になって奥歯が痛くなってきてしまったのだ。どうも僕の意に反して歯の虫達が頑張って繁殖してしまったらしい。

 何もしなくても痛む状態になったので、遂に歯医者さんに行くことを決心する。僕はどうも歯医者(で治療を受けること)が苦手だ。歯医者さんは「痛くなったらいつでも左手を挙げて下さいね」と優しく言ってくれるのだが、左手を挙げても、「もう少しの辛抱ですからね、頑張って下さいね〜」と言って結局最後まで治療してしまうからだ。今回も「ロープ」の合図を出しているにも関わらず、歯医者に励まされながら?無事に?治療が終わってしまったのであった。

 治療中は天井を眺めている時間が案外多い。歯の型を採っている時など、ヨダレが垂れそうになるのをじっとこらえながら何分も天井を見たまま過ごさなくてはならない。それにしても歯科医院の天井はなんてつまらないのだろうかといつも思う。素材の違いはあるにしても、白いのっぺりとした天井がお決まりの仕上だ。今回紹介した立川の洋館も歯科医院だったが、あのような漆喰のレリーフのある洒落た天井の下で治療を受けることのできた患者は幸せだったと思う。

 天井を見上げるのが楽しくなれば、その後行われるであろう傷みを伴う治療に対して、少しは余裕が持てると思うのは僕だけではないだろう。例えば、天井に大きな柄物のクロスが張ってあるだけでもかなり違うだろう。ビーナスフォートのように天井画などが描いてあればなおいい。天井埋め込みのスクリーンがあって、ニュースや広告を流すというのはどうだろうか。宣伝料も取れて一石二鳥!?

歯科医院の天井には、何か視覚的に没頭できる仕掛けが欲しいものだ。



 

 
 
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