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コンペティションのファイナルが始まる直前、ピリピリと緊張した空気が漂う会場で、映画祭発案者でもあるSantaFe実行委員会代表・三好康志さんにお話を伺った。

三好康志(みよしやすし)さん
 
SantaFe実行委員会代表
早稲田大学法学部4年生
23歳/東京都昭島市在住

Q:SantaFeを始めようと思ったきっかけは何だったんですか?
A:「ショートフィルムの映画祭をやらないか?」2002年6月に、高校時代の友人たちに投げかけた言葉が、全ての始まりでした。「地元・三多摩を舞台に大きいことをやろう!」学生時代も終わりに近づいていたあの頃、これが僕たちの合言葉になっていました。ある日、たまたまテレビから聞こえてきた「ショートフィルム」という言葉。「これだ!」と思い、仲間に提案してみたんです。日本の映画界では、なかなか若手監督の作品が日の目を見にくいのが現状です。「夢を抱き、目標に向かって頑張っている人を応援したい」という思いから、このイベントは生まれました。


Q:三好さんご自身は、もともと映画やショートフィルムがお好きだったんですか?

A:いいえ、実は特別に映画に思い入れがあったわけではないんです。とにかく「三多摩で何かやりたい」という思いがあって、その思いを実現するための1つの手段として選んだのが、ショートフィルムだったんです。

Q:では、映画・ショートフィルムという手段を選んだのはどうして?
A:映画界に、次代を担うクリエイターを誕生させたいと考えたからです。その昔、日本映画全盛期という華々しい時代がありました。しかし、いつの頃からか、日本映画界は低迷していると言われるようになり、「日本作品離れ」、「優秀なクリエイターの海外脱出」という現象が起こるようになりました。現在の日本では、若手クリエイターに与えられる作品発表の機会が少なく、観客を意識する眼が養われにくくなっているため、時代が求めるクリエイターが生まれにくい環境になってしまっています。この問題の解決に自分たちのアイデアを生かせないかと考えたんです。SantaFeは、「ショートフィルム」という新しい枠組みの中で次代のクリエイターを誕生させていくことを目指しています。


Q:なぜ三多摩でイベントをやろうと思ったんですか?
A:私も含め、実行委員の多くが三多摩出身なんです。それで、地元の地域活性化に役立てばいいなと思い、三多摩をホームタウンに選んだんです。三多摩には美術系の大学が多いので、映画イベントを支える土壌があったことも幸いでした。実際に、スタッフの中にも美術大学の学生が何名かいます。

Q:SantaFeは学生のスタッフが中心になって運営されているそうですが?

A:はい。事前の企画や作品募集、審査員の方への依頼など準備段階から参加しているメンバーと、当日の会場運営スタッフを合わせると、SantaFe実行委員会には全体で30名いるんですが、うち24名が学生スタッフ、6名が社会人です。


Q:顧問や協賛、協力、後援などもたくさんいらっしゃるようですが、どのようにお願いされたんですか?

A:「夢をかなえることが大事」だということを情熱を持って伝えることによって、快く賛同していただいたり、そこから更に紹介を受けたりです。がむしゃらにお願いするうちに支援していただける方が増えていきました。

Q:海外からの応募も含めて、多くの作品が寄せられたということですが?

A:海外からの物も含めて、973作品が寄せられました。

Q:海外の作品はどのように集められたんですか?

A:電子メールを使って海外のクリエイターに出品を依頼しました。韓国と香港には、スタッフが現地に行き、大学や専門学校で説明会を開いたんですよ。その結果、韓国・香港をはじめ、アメリカ、ドイツ、フランスなど20ヶ国から300以上の作品の応募がありました。

Q:2年目の映画祭を終えての感想を聞かせて下さい。

A:まだまだ実感が湧かないというのが正直な感想です。フェスティバルはとても華やかなものですが、これまでの地道な準備活動が本当の意味でやりがいのあることだと常々思っています。そういう意味で、もう映画祭が終わってしまったんだという寂しさが残る部分もあります。

Q:SantaFeの今後の目標は?

A:SantaFeの現在の目的はただフェスティバルを開催することではなく、若い才能が世の中に出て行くシステムを構築することにあると考えています。ですから、本当の意味で重要なのは、今回出会った新しい才能を持った人たちを、僕たちが出来る限り支援していくことであり、そういった意味でここからが本番だと思っています。

Q:NPO法人を設立する計画もあるそうですが?
A:継続的な運営や、きちんとしたシステムを構築するために、NPO法人化することを念頭においています。それは、今まで僕たちが培ったネットワークを最大限に生かすことや、また採算よりもまず純粋に「若手の支援」を行うということを考えた場合、NPO法人が一番よいのだという結論に達したからです。

Q:クリエイターの方々にメッセージをお願いします。
A:ピンク映画出身の周防正行さん、Vシネマ出身の三池崇史さん。新しいメディアからは、いつも新しい才能が生まれてきました。ショートフィルムという新しい舞台からも、次のトップクリエーターが輩出されることを願ってやみません。「夢」を持つクリエイターの方々への支援を、僕たちは全力で行っていきます。新しい映像文化の扉を開ける熱きクリエイターの方々からの挑戦を心よりお待ちしております。

Q:タチカワオンライン読者の皆さんにもメッセージをお願いできますか?
A:まだ生まれて間もない映画祭ですが、将来、立川の街になくてはならない存在にすることができればこれほどうれしいことはありません。これからどんどん発展していく立川の中で、より多くの人に知っていただけるよう頑張っていきますので応援よろしくお願い致します!

SantaFeホームページ
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【取材後記】
今年で開催2年目のSantaFeを運営しているスタッフは、ほとんどが大学生だというので驚いた。新しい発想を持った彼らだからこそ、新しい価値が生まれてくるのだろう。
昭和20年代には、駐留していた米兵たちに歓楽街として愛され、「映画の街」とも呼ばれていた立川。この街で生まれた映画祭SantaFeを応援しよう!
(取材・文 / 大熊雅樹)
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